海外留学助成金報告書

平成19年 平成18年 平成17年 平成16年
第6回 第5回 第4回 第3回 第2回 第1回

■ 平成19年 第2回 ■

髙﨑 州亜 (鹿児島大学医学部循環器・呼吸器・代謝内科学)

 2007年11月よりクリーブランドクリニック(米国オハイオ州)心臓血管イメージング部門にResearch Fellowとして留学させて頂き、現在3ヶ月目となります。当クリニックは、U.S. News & World Report誌の全米病院ランキング心臓血管部門において13年連続一位の座を維持しており、心臓血管内科・外科ともに全米トップクラスのレベルを誇っています。
 クリニックは複数の建物からなる大きな病院ですが、新たに最新鋭のシステムと設備を備えた新ハートセンターが今年の秋完成予定です。手術室16部屋、入院ベッド数288床、ICUベッド数138床という巨大循環器専門ビルディングで、今から完成が楽しみです。
 私の所属する心臓血管イメージング部門は、年間5万件ほどの心エコー検査が行われ、塩田隆弘先生・James D. Thomas先生を中心に、臨床・研究ともに精力的な仕事がなされています。心エコーは、特に心臓手術症例において最も重要な役割を担っておりますが、ソノグラファー・心臓内科医(心エコー専門医)・心臓外科医とが密に連携して理想的な診断治療が行われています。3Dエコーを含めた全ての心エコー画像が、院内ネットワーク内で閲覧可能です。私は現在、塩田隆弘先生の指導のもと僧房弁閉鎖不全症例の心機能に関する研究を行っております。
 現在アメリカ大統領予備選挙の真っ只中ですが、この国における社会構造や生活についても見識を深めたいと考えています。
最後になりましたが、このような貴重な機会をご支援くださった貴学会およびフィリップスエレクトロニクスジャパン社に心から厚く御礼申し上げます。(2008年2月)


■ 平成18年 第1回 ■

武井 康悦 (東京医科大学 内科学第二講座)

私は2006年10月よりアメリカ合衆国ニューヨーク市マンハッタンにありますコロンビア大学メディカルセンター循環器内科、本間俊一教授のもとに留学しております。主として経皮的(カテーテル的)僧帽弁形成術や大動脈弁ステント挿入術における三次元心エコー図を用いた術前、術中、術後評価や高周波収束超音波法を用いた心筋ablationの動物実験に携わっています。また北部マンハッタンの住民に対し、心エコー図、血管エコー図を用いたコホート研究が行われており、これはエコーを利用したEBMとも呼べるもので、我々も研究に参加しております。エコーを用いて臨床、動物実験や大規模研究などを多角的な視点に立って研究が行われており、大変勉強になります。今回の留学に関しては特に大阪市立大学の先生方には大変お世話になりました。研究だけでなく、生活などさまざまな面において、異国の地で共に協力しあえることは素晴らしいことだと感じております。最後になりましたが、このような貴重な支援をいただきました日本心エコー図学会、およびフィリップスエレクトロニクスジャパン社の方々にこの場をお借りし、厚く御礼申し上げます。(2007年2月)


長谷川 拓也 (国立循環器病センター 心臓血管内科)

私は2006年7月よりアメリカ合衆国ニューヨークにあるColumbia Presbyterian Medical Centerの心エコー研究室に留学させていただいております。当研究室はコロンビア大学内のBiomedical Engineering 部門との共同研究が盛んでHigh Intensity Focused Ultrasound(HIFU)を始め、3D心エコーを利用したソフトウェアの開発、小動物に対する心エコー装置の開発などが行われております。またNorthern Manhattan Study(NOMAS)という脳卒中に関連した大規模研究を循環器内科の立場から再解析を行うという仕事もあります。もちろん自ら研究計画を立てて臨床現場で心エコーを用いて研究をされている先生もおられます。ニューヨークの治安状況は以外に落ち着いておりこれまでは幸い危険な場面に遭遇することなく過ごすことができました。生活、仕事の立ち上げでは私のつたない英語ではどうにもならないこともありました。しかし当研究室の本間俊一教授、先輩の日本人研究者の方々を始め多くの方々にお世話になり、渡米後3ヶ月間を無事過ごすことができました。このような貴重な経験をする機会をご支援をいただいた貴学会にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。(2006年10月)


松村 嘉起 (大阪市立大学大学院医学研究科循環器病態内科学)

 私は2006年4月より米国オハイオ州クリーブランドクリニックの心血管画像部門に研究留学をさせて頂いています。当施設のあるクリーブランドは五大湖の一つであるエリー湖の南岸に位置し、森林、自然と文化の調和が取れた都市で、別名Forest Cityとも呼ばれています。クリーブランドクリニックの心臓血管部門はU.S. News & World Report誌の米国における病院ランキングで、12年連続1位と評価され、年間5500例余りの開心術、約50000件の心エコー図検査を行っています。冠動脈バイパス術発祥の施設である当施設ではありますが、冠動脈外科はもちろん、現在は各種の心臓弁膜症の手術においても世界の最先端にあり、弁膜症の病態解明、および治療方法に関して多くの研究がなされています。この中で、私は主に3次元心エコーを利用した機能性僧帽弁逆流についての研究をしています。機能性僧帽弁逆流は予後の増悪因子であることが分かっていますが、その出現のメカニズムや最適な治療方法は、未だ確立していません。今後、更なる病態解明、治療法開発に向けて、少しでも貢献できるように、日々研鑽に努めたいと思います。最後になりましたが、このような素晴らしい環境のもとで研究させて頂ける事を深く感謝し、ご支援下さった貴学会およびフィリップスメディカルシステムズ社に厚く御礼申し上げます。(2006年7月)


■ 平成18年 第2回 ■
岡橋 典子 (川崎医科大学附属病院循環器内科)

 私は、2007年9月から米国ジョージア州アトランタにあるエモリー大学循環器内科の心血管画像部門に留学させていただいております。エモリー大学はアトランタの北東部に広大な敷地を有する歴史ある大学で、ダウンタウンから車で15分足らずの距離ながら、深い緑に包まれ、静かで落ち着いたとても良い環境にあります。そのエモリー大学の中心にエモリー大学医学部と大学付属病院があり、わたしは、大学病院内のECHO/VASCULAR Labにリサーチフェローとして所属し、Dr. Randolph P. Martinらとともに、三次元心エコー図を用いた心臓弁膜症に関する三次元形態の解析を行っています。ラボの規模は、比較的こぢんまりとしていてアットホームな雰囲気です。南部気質も手伝ってか、みな気さくで、非常に動きやすく、日本では私自身経験のなかった経カテーテル的大動脈弁置換術や僧房弁形成術、ASD閉鎖術などの術中評価にも立会うことができ、すべてが新しく刺激的な毎日です。また、主にフェロー教育を目的として行われるモーニングカンファレンス・ケーススタディでは、日々のエコーリーディングとともに、専門知識のみならず、臨床の現場に役立つ循環器一般知識・経験を得ることができ、大変勉強になります。また、実際の現場で働く多くのフェローと交流ができるという意味においても、とても興味深く楽しく参加させていただいております。最後になりましたが、このような素晴らしい環境で臨床研究に従事できますことを深く感謝し、ご支援くださった貴学会およびフィリップスメディカルシステムズ社にこの場を借りて厚くお礼申し上げます。(2007年12月)


田中 秀和 (神戸大学大学院循環呼吸器病態学)

私は2007年5月より、ピッツバーグ大学循環器科の心エコーラボに留学しております。ピッツバーグは今年 "全米で最も住みやすい街"に選ばれており、治安、物価など様々な面でとても住みやすく感じています。
私はJohn Gorcsan教授のもとで、主に左室dyssynchronyに関連した臨床研究を行っており、現在留学して約3ヵ月半が経過しましたが、仕事にも徐々になれ、充実した日々を送っております。臨床研究に関しては、豊富な症例数と最新の機器がそろっており、整ったすばらしい環境であるといえます。心エコーラボでの仕事は、自分の研究テーマに加えて、多施設大規模研究のデータ管理と解析、大学内で行われている他部門との共同研究など多岐にわたります。また、"Dyssynchrony"という分野に関しては、臨床の場においても我々リサーチフェローの仕事となっており、臨床医からエコーの依頼を我々がうけています。このようにピッツバーグ大学心エコーラボの長所は、我々リサーチフェローが、臨床研究は勿論のこと、Doctor、Nurse、Co-medicalの人たちとコミュニケーションをとりながら、日常臨床の一つの歯車として働くことができることです。
このような留学の機会にご支援くださった貴会、およびフィリップスメディカルシステムズ社にこの場を借りて厚くお礼申し上げます。


藤本 浩平 (大阪市立大学循環器病態内科学)

 私は2006年4月より、米国ニューヨーク市にあるコロンビア大学において、本間俊一教授のもと心エコー図に関する研究に従事しています。当研究室では、臨床研究に加えて、High intensity focused ultrasound (HIFU)と呼ばれる治療を目的とした超音波の実験や高周波プローブを用いたネズミの心エコーなど様々な研究がおこなわれています。私はその中でも、カテーテル治療に伴う心エコー図の評価に携わっており、特に弁膜症に対する経皮的な治療における評価について研究しています。今後ますます高齢化がすすむ中、弁膜症に対する治療法は、従来の薬剤もしくは手術といった二者択一ではなく、さらに他のオプションが求められるのは言うまでもありません。これらの新しい治療法を心エコー図を用いて適切に評価した上で、一般臨床に適応されるようになることを願い、日々努力している次第です。慣れない土地での新たな生活、苦労することも多くありますが、すばらしい環境の中で様々な経験を積むことができ、大変うれしく思っております。このような機会にご支援くださった日本心エコー図学会および、フィリップスエレクトロニクスジャパン社に心から感謝し、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。


■ 平成17年 第2回 ■

阿部 幸雄 (大阪市立大学大学院循環器病態内科学)

 私は2004年4月より,米国ニューヨーク市にあるコロンビア大学の心エコー図研究室に留学させていただいております.本間俊一教授のもとで,心エコーに関するさまざまな研究に従事してまいりました.High Intensity Focused Ultrasound (HIFU:ハイフー)と呼ばれる治療用超音波の心臓病への適用に関する基礎実験,Northern Manhattan Study (NOMAS:ノーマス)と呼ばれる各種超音波検査を絡めたコホート研究,そして3D心エコー図を用いた臨床研究,などです.バラエティに富んでいるように思われるかもしれませんが,一貫しているのは心エコーの適応を広げたいという熱い思いに他なりません.さて,当ラボの長所は自主性を重視する点です.自分から積極的に研究の立案・実行をしていくことが求められます.またニューヨークという土地柄もあってか,多種多様な人々と協力して仕事を進めていくことが必要となります.その過程の中で学ぶことは,他では得がたい貴重な経験となっております.日本に帰国した後は,留学中に学んだことをより多くの人に伝えることができるように頑張るつもりです.最後になりましたが,このような機会にご支援くださった日本心エコー図学会およびフィリップスメディカルシステムズ社にこの場を借りて厚くお礼申し上げます。(2005年12月)


■ 平成17年 第1回 ■

岡島 一恵 (大阪市立大学循環器病態内科学)

 私は2004年9月より、米国ニューヨーク州のマンハッタンにあるコロンビア大学Presbyterian Medical Centerで、本間俊一教授のもと心臓超音波に関する研究を行っています。伝統的に従事している超音波を治療に応用したHigh intensity focused ultrasound (HIFU) による心筋焼灼術の動物実験をはじめとし、コラボレートしているラボの様々な動物の心機能評価、さらには経カテーテル治療にからんだ臨床症例の評価まで、非常に多彩な分野で心エコー図法に関する研究に携わっています。小さなものでは超高周波 (30MHz~) Probeによるねずみの弁の評価から、果ては日本では経験しえないりっぱな体格をされた方の3Dエコーまで幅は広く、心エコー図法の基礎にたちかえり考えさせられることも多く、非常によい経験をさせてもらっています。臨床においては、お国柄上患者層も様々なため、時に母国語以外全く話せない患者に遭遇し苦労することもありますが、しかし負けず劣らずエコーラボ内のCo-workerたちの層も厚く、いつもなにがしか通訳を見つけることができ、文化の違いを感じるとともに周りのサポートに深く感謝している次第です。生活面では現在のNYは十~数年前に比べても非常に治安が改善しており、格別こわい思いをすることもなく、衣食住にともに堪能できる街で楽しく研究生活を続けています。最後になりましたが、貴学会からの助成をうけ、このような環境で研究に従事できることを心から感謝し、この場を借りて厚く御礼を申し上げます。(平成17年10月)


■ 平成16年 第1回 ■

藤倉 加奈 (慶應義塾大学 呼吸循環器内科)

 私は2003年4月末より、米国ニューヨーク州のマンハッタンにあるコロンビア大学Presbyterian Medical Centerで、本間俊一教授のもとで心臓超音波治療に関する研究に従事させていただいております。この研究は超音波研究を盛んに行っているマンハッタンにあるベンチャー企業Riverside Research Instituteと共同で行っています。High intensity focused ultrasound (HIFU) はintensityが高い超音波を組織内のある場所に収束させるにより、組織内のある範囲を部分的に焼灼することができます。この技術は眼科や泌尿器科において腫瘍の治療の臨床応用をすでに行われています。循環器の分野でも心臓カテーテル治療で、肥大型心筋症に対するアルコールアブレーションや外科的治療、AVRTに対して高周波カテーテルによるKent束のアブレーション、また収縮性心膜炎の治療法として外科的な心外膜剥離術が行われています。このような治療に対して将来的に非侵襲的に行うことができる可能性を追求するのが、本研究の目的です。マンハッタンは文化、芸術、スポーツなど全てが揃っているというだけでなく、いろいろな人種の人間が密集して住んでいますので、身近に何でも揃うという便利さがあります。病院はワシントンハイツというプエルトリカンが多く住んでいる地域にあり、材料に使っている牛の心臓も普通のグローサリーストアーで買うことができます。最後になりましたが、貴学会からの助成をいただくことによりこのような素晴らしい環境で研究を続けさせていただくことができ、深く感謝申し上げます。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。(平成16年7月)


■ 第6回 ■

嶋田 芳久 (大阪市立大学大学院 循環器病態内科学教室)

 私は2002年12月よりスタンフォード大学メディカルセンター内の心臓血管リサーチセンターに留学しています。Peter J. Fitzgerald 先生のもと、主に血管内超音波を中心とした多施設共同臨床試験の解析を行っています。当研究室は現在主に、今後の虚血性心疾患の治療を大きく変えるであろう Drug Eluting Stent の解析を行っており、各薬剤の特徴、差異、あるいは至適薬剤用量設定や合併症の評価等もしています。その他にも当研究室には膨大な数のデータベースがあり、まずはどこから手をつけていいのか迷うほどでした。スタンフォード大学では臨床そして研究が盛んに行なわれているのは勿論のこと、教育プログラムにも力を入れていて、様々な講演や研究会が毎日のように主催されています。またここシリコンバレーは研究者のみならず市民の人種も様々で、欧米人よりもむしろラテン系やアジア系の方が多いように思われます。世界各地からの頭脳が集まる地域ではありますが、その雰囲気は映画俳優が州知事に選ばれた事があらわすようにリベラルで温かいものです。日本心エコー図学会からの海外留学助成によりこのようなすばらしい環境の中で腰をすえて研究できることを心から感謝し、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。(平成15年8月)


大門 雅夫 (Cleveland Clinic Foundation、千葉大学医学部 第三内科)

 私は2003年10月より貴会留学助成金のご援助をいただき、米国オハイオ州クリーブランドクリニック、心血管画像部門に留学させていただいております。当地に来てからはや6ヶ月が過ぎようとしています。当施設心臓血管部門は全米でも9年連続No1に選出され、年間の心臓手術件数約5000例、心エコー件数48000件という日本では考えられない規模の中で、数々の基礎および臨床研究が行われています。その中で、私はDr. James D Thomas、Dr. Takahiro Shiotaのもと、主に3次元心エコーを利用して僧帽弁機能の異常について研究しております。この研究は外科手術を含めた様々な治療に直結するものですが、未だ不明な部分が多い分野です。その分手探りであり、苦労も多いですが、多くの症例数に加え、解析ソフトのプログラマーやDr Patrick McCarthyなどの高名な心臓外科医と直接意見を交えながら研究をすすめられるという恵まれた環境にあります。日々苦闘の連続の中で、新しい事実に行き着いた喜びは何事にもかえがたいものがあります。このような機会にご支援くださった貴会およびフィリップスメディカルシステムズ社にこの場を借りて厚くお礼申し上げます。(平成16年3月)


築地 美和子 (川崎医科大学循環器内科Cardiovascular Medicine Stanford University)

 2003年9月より米国カリフォルニア州にありますスタンフォード大学循環器内科に留学しております。Cardiac MRI Laboratoryに所属し、主に心筋Viabilityについての研究に従事しております。臨床研究を中心に行っておりますので、大学の倫理委員会への申請や患者あるいはボランティアへのインフォームドコンセントなどに直接携わることができ、多くの貴重な経験を積むことができています。また、循環器だけでもClinical echocardiogram, Cardiomyopathy, Catheter case, Vascular medicine lecture seriesなどの分野に分かれたLunch conferenceがほぼ毎日あり、Lecture seriesでは、他大学から世界的にも著名な先生が招かれます。非常にカジュアルな雰囲気の中で時に白熱する活発なdiscussionが行われ、非常に興味深く楽しく参加させて頂いています。貴学会から貴重な助成を頂き、このような恵まれた環境で臨床研究に従事できますことを深く感謝し、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。(平成16年4月記)


■ 第5回 ■

國近 英樹 (山口大学医学部器官制御医科学講座循環病態内科学)

 私は現在、米国カリフォルニア大学サンディゴ校 UCSD Medical Centerの循環器内科Cardiac Ultrasound Laboratoryに留学しております。同センターはサンディエゴダウンタウンの中心に位置しており、そこでは超音波循環器学(特に心コントラストエコー領域)の重鎮であるDeMaria教授の循環器内科に在籍し、研究及び診療に従事しています。幸いDeMaria教授のよき理解を得ることができ、動物実験と同時に米国での臨床現場での研究機会にも恵まれ、心筋虚血・再灌流治療と心筋コントラストエコーとの関係を中心とした研究の日々を送っております。お陰様で、AHAや米国心エコー図学会等で成果を発表することができています。しかし今のアメリカは全くの平和国家ではなく、ブッシュ大統領の言葉を借りれば"テロに対する戦時下"なので、私の毎朝起きてからの一番の仕事は、CNN ニュースをみてまずテロがおきていないかを確認する事です。そのような緊張感の中、アメリカの医学界での共存・競争を自分なりの視点で学んでいます。最後になりましたが、日本心エコー図学会からの留学助成や皆様からの応援に心より感謝し、UCSDメディカルセンターでの研究が、一人でも多くの患者さんに役立つよう頑張りたいと思います。(平成14年10月)


坂田 泰史 (大阪大学大学院医学系研究科病態情報内科学)

 私は2002年7月より、米国テキサス州ヒューストン市にあるベイラー医科大学循環器内科学に留学し、Douglas Mann教授のご指導のもと、「サイトカインによる心不全発症メカニズムの解明と、新しい治療戦略の確立」をメインテーマに、研究に従事しております。その中でも私は、サイトカインに関係した様々なタイプの遺伝子改変動物に対し心エコー法を中心とした心機能の詳細な測定を行い、その差異・メカニズムを解明するというin vivo研究に携わっております。遺伝子改変動物は非常に興味深いphenotypeを呈しており、苦労もありますが楽しく研究を行っております。また、ベイラー医科大学は心エコー・心不全の分野においても世界的に著明な先生が多くおられ、そのような先生方のlectureが非常にラフな雰囲気の中毎週聞くことができ、それも楽しみの一つになっております。貴学会からの助成をうけまして、このような環境で研究に従事できることを心から感謝し、この場を借りて厚く御礼を申し上げます。(平成14年10月)


宮坂 陽子 (関西医科大学第二内科学講座)

 私は2002年9月より、米国ミネソタ州ロチェスターに位置するメイヨークリニックの循環器科心エコーラボに留学しています。ロチェスター≒メイヨークリニックと思えるくらい町は世界から集まる患者のためのホテルや付帯施設で溢れ、そこに集まる人々も私のような研究者も含めいろんな国、人種に会うことが出来ます。 会員の皆様もご存知の通り、現在、心エコーラボでは心拡張能に関する研究に1つの焦点が当てられています。私もその基本線上にある心房細動がもたらすさまざまな合併症、予後に与える因子の検討を数千に及ぶ症例を対象に行っています。臨床研究の障害はこのようにすれば円滑に出来るのかということを実感させる研究組織、体制のすばらしさを感じながら、毎日、毎日データと格闘しています。アメリカにおけるテロ対策、戦争、これらと無縁と思えるロチェスターの町並みと静かな時間になぐさめられながらの毎日です。  最後になりましたが、貴学会からの留学助成の受賞は私に大きな勇気を与えていただけました。このような素晴らしい環境の中で研究させて頂ける事を感謝し、日々の努力を続けて参りたく思います。(平成15年9月)


■ 第4回 ■

氏野 経士 (大阪市立大学第一内科)

 私は2001年9月より米国ミネソタ州ロチェスター市にあるメイヨークリニック心エコーラボに留学しております。James B. Seward先生のもとで、左房容積や拡張能と心血管イベントの発生との関連性について研究をしております。渡米直後の9月11日に全米同時多発テロ事件が勃発し、また炭疽菌事件も起こり、アメリカだけでなく世界が今後どうなっていくのか非常に不安な状態で留学生活がスタートしました。幸いなことに実際の日常生活においては大きな支障もなく暮らしております。 メイヨークリニックは日々の診療や研究はもちろんのこと、教育に関しても力を入れており、著名な研究者を招待して行われる講演や研究会から、統計学や疫学のような講習、あるいはコミュニケーションの上達法など文化教室的な内容のものまで多種多様に開催されています。Cardiovascularの分野だけでも月曜日から金曜日まで毎日カンファレンスや講義などが行われており、基礎から臨床に至るまで幅広い分野の知識を得ることが出来ます。 最後になりましたが、日本心エコー図学会からの海外留学助成を受けまして、このようなすばらしい環境の中で留学生活が送れることを心から感謝し、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。


神崎 秀明 (国立循環器病センター心臓血管内科)

 私は2001年10月より、米国ペンシルバニア州ピッツバーグ大学循環器科の心エコー部門に留学しています。皆様もご存知の通りここピッツバーグ大学は米国でも有数の移植施設であり、重症心不全の治療方針の決定において心エコー図の果たす役割は大変重要視されています。現在、もう一人の研究者と共にDr. Gorcsanの指導のもと、主として組織ドプラ法を用いた解析を行っていますが、心機能評価や局所壁運動評価を通して心臓の挙動の詳細を明らかにする試みで、基本的には国立循環器病センター時代の仕事の延長になります。Dr. Gorcsanを始めとしたスタッフドクター、心エコー検査にローテートしてきているクリニカルフェローや同僚、技師さん達は皆親切で、厳しい雰囲気の中でも暖かな言葉にいつも励まされています。ここには米国国内だけでなく、中東や亜細亜からも多国籍の人々が集まっており、その優秀さには圧倒されることもしばしです。今回の留学で心エコー図の技術や知識の取得のみに留まらず、様々な出会いを通じ、人生の糧となるような経験ができましたら幸いです。またこのような機会を与えてくださった貴学会からの助成や皆様の応援に心より感謝し、日々の努力を続けて参りたく思います。


園田 信成 (門司労災病院循環器内科)

 私は本年6月末より、米国スタンフォード大学医学部循環器内科内のCenter for Research in Cardiovascular Interventions (CRCI) という研究室に留学しています。本研究所は血管内超音波を中心に心血管イメージング領域における研究や新技術開発、さらには多施設共同研究の中心として様々な大規模臨床研究の解析を行っています。渡米してから約2ヶ月が経過し、言葉の壁をはじめとした様々なトラブルに直面しながら、ようやく私の研究生活がスタートしつつあります。私の研究テーマである血管内超音波を用いた冠動脈硬化プラーク性状解析に関しては装置の開発や臨床応用に向けた動物実験が現在行われており、今後の更なる発展に向けて貢献出来るようにしっかり頑張っていきたいと考えています。今年の日本は猛暑、激暑と聞いていますが、この辺りの気候は西海岸の中でも抜群に良く、非常に快適な日々を送らさせていただいております。しかし反面、家賃は全米一高く、ご存じのごとくエネルギーショックのため電気、ガス代は高騰しているため、非常に苦しい生活事情となっています。今回の留学を通じて、心血管イメージングの研究だけでなく、語学学習や異文化体験をしつつ、生涯の糧になるような人生経験が出来れば幸いと考えています。最後に貴学会からの海外留学助成によりこのような貴重な経験をさせていただくことに対して、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。


山田 博胤 (徳島大学第二内科)

 私は、2001年3月より米国オハイオ州クリーブランドクリニックの心血管画像部門に留学しております。Dr.James Thomasの傘下に所属し、Dr.Richard GrimmやDr.Allan Klein、Dr.Leonardo Rodriguezらと共に研究をしています。現在のメインの研究テーマは、前任の田畑智継先生(現徳島大学)からの引き継ぎで、心房細動およびその除細動後における心房機能についての検討です。犬麻酔開胸心に各種圧カテーテル、電極をとりつけ、ペーシングあるいは迷走神経刺激により心房細動を維持し、経食道・心腔内エコー法などを用いて、ドプラ法、組織ドプラ法により細動中あるいは除細動後の心機能を評価しています。徳島で臨床研究をしていた頃は、動物実験ならすべての条件を揃えることができ、きれいなデータが得られるだろうに、と思っておりましたが、はてさてそういうわけにはいかず毎日苦労しております。さて、本施設はUS News & World Report誌の病院ランキングで循環器部門7年連続1位と評価されました。私の他にも、各国から多くの医師が留学してきております。素晴らしい環境のなかで、著名な指導者のもと、彼らと切磋琢磨しながら研究できることは、私にとって留学しなければ体験できなかった貴重な経験です。貴学会からの助成に感謝し、心エコー学の発展に貢献できるよう日々研鑽したいと思います。


■ 第3回 ■

松木田 慶子 (鹿児島大学第一内科)

2000年9月から米国カリフォルニア州ニューポートビーチ市のHoag病院において、Pravin M. Shah先生のもと、経食道心エコーによる術中診断を学んでいます。当病院では昨年僧帽弁逸脱症に対する僧帽弁形成術を約50症例行っており、心臓手術における経食道心エコーによる術中診断は欠かせません。閉塞性肥大型心筋症に対するMyectomyの手術でも術中経食道心エコーにより切除範囲を再検討し、術後は収縮期僧帽弁前方運動SAM、圧較差を評価し、必要であれば引き続き手術操作を追加しています。手術室では心エコーの画像を見ながら外科医、麻酔科医、心臓内科医でディスカッションをしますので、理解しやすく勉強になります。Hoag病院でリサーチを目的に仕事をしているのは私ぐらいで、臨床の場で働く医師やソノグラファー、その他病院のスタッフの協力をもらいながら、僧帽弁形成術に関する研究も行っています。ニューポートビーチは気候もよく、安全性も高く、また私は病院のスタッフにも恵まれ、良い環境でじっくり勉強できます。貴学会から海外留学助成を受けまして、このような貴重な経験ができますことをたいへん感謝いたしております。


■ 第2回 ■

浅沼 俊彦 (島根医科大学第四内科)

 私は現在、米国ミネソタ州のメイヨークリニックに留学しています。メイヨークリニックのCardiac Ultrasound Imaging and Hemodynamic LaboratoryはJames B. Seward先生のもと、50人以上のソノグラファーと30人以上のコンサルタントとフェローがいる、たいへん大きなラボです。超音波に関する研究では、Echocardiography Clinical Research Center (ECRC)、BasicUltrasound Research Lab (BURL)、そしてTranslational Ultrasound Research Unit (TURU)という3つの部門をもっています。文字通り、ECRCは臨床、BURLは基礎的な研究を行うわけですが、TURUはこの基礎の領域と臨床を橋渡しする役割を担う部門です。基礎の領域で新しく開発された技術が臨床で使用されるためには、その十分な裏付けの研究が必要となりますが、TURUはこの領域をカバーする目的で、98年に設立されました。私は現在このTURUに所属し、コントラストエコーに関する研究を行っています(大阪市大の竹本先生も同じラボです)。 日常の診療や研究ももちろんですが、ご承知のように、ここメイヨーは特に教育プログラムにも力を入れていて、さまざまな講演や研究会が毎週主催されています。貴学会からの海外留学助成により、このようなたいへんすばらしい環境のもとで働けることができ、とても感謝しております。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。


竹本 恭彦 (大阪市立大学第一内科)

 このたびは、日本心エコー図学会海外留学助成金をお受けし、誠に有り難うございました。私は、現在、メイヨークリニック心エコーラボにて、研究留学をさせて頂いております。メイヨークリニックは、その名が世界中に知れ渡る大変著名な医療研究機関ですが、その存在場所は、米国ミネソタ州の南東に位置するロチェスターという小さな街です。人口約10万人で、メイヨークリニックが存在するので、この街が存在するといって過言でないと思われます。メイヨークリニックキャンパス周囲には多数のホテル群が連なっていますが、それは全米各地はもとより世界中よりひきもきらず集まってくる患者さんのために作られているとの事です。このような環境の中で、現在私は3次元エコーを用い、さまざまな解析を行なうという仕事をさせて頂いております。メイヨークリニックは臨床そして研究が盛んに行なわれているのは勿論のこと、教育もそれらにもまして盛んに行なわれており、毎日必ずどこかで講演(たくさんの著名な研究者がやってきます)、カンファレンス、勉強会等々が行なわれております。このような素晴らしい環境の中で勉強させて頂ける事を心から感謝し、自己研鑽に努めて参りたいと考えております。重ねまして、貴学会から留学助成をお受けしましたことに対しまして、厚く御礼申し上げます。


■ 第1回 ■

加地 修一郎 (神戸市立中央市民病院循環器内科)

 私は現在、スタンフォード大学医学部の心臓血管内科に留学しています。ご存じのようにスタンフォード大学はサンフランシスコの南、シリコンバレーと呼ばれる地域にあります。私は、Bob S. Hu先生のもとで、Forward-viewing Intravascular Ultrasoundをはじめとした心臓血管イメージングの研究をしています。 私自身は卒業後5年間ずっと病院に勤務していましたので、日本の大学医局を良く知りません。ただ、日本の大学医局での研究は医師が圧倒的多数ですが、スタンフォードの心臓血管内科を見る限り、医師以外に、Research assistantや学生をはじめ様々な人が研究に従事している点が大きく異なるように思います。なかには医学部を休学して、最先端の研究をしている学生もいます。もちろん人種も様々で、中国系をはじめとして、世界各地から集まっています。日本人のように、ある期間がたつと帰国するというのは例外的で、アメリカ以外からきた人々の多くはこちらでの永住を望むようです。したがって、競争が非常に厳しいことはいうまでもありませんし、それが高い研究水準を維持しているのだと思います。自分の研究はようやくスタートしたところです。何とか結果を残せるよう頑張りたいと思います。 最後になりましたが、今回の留学助成に際して、日本ヒユーレットパッカード社および日本心エコー図学会事務局にお礼を申し上げます。


金丸 浩 (日本大学板橋病院小児科)

 私が南カリフォルニア大学付属のロスアンゼルス小児病院にきて、早5ヶ月が過ぎました。カリフォルニアは非常に人種が多彩な都市で、患者さんもスパニッシュをはじめ、世界中の子供達が集まっているのではないかと錯覚してしまうほどです。  循環器疾患の子供達は地域にとどまらず、州外ときにアメリカ国外からの入院受け入れもしています。心臓外科手術の子供達を対象としたICUが、一般のICUと独立して設けられており、心肺移植を対象としたベッドも2床独立して用意されています。術前の食道エコーによる心機能、解剖のチェックは、ASD、Unifocalizationを除いた多くの先天性心疾患において施行されています。移植患児については、左房の動きなど評価しづらいところも多く、心機能評価の難しさを改めて感じているところです。  小児の心機能評価、特に移植患児におけるそれは、日本の現状からみて、我々日本の医師にとって海外の情報が不可欠と考えられます。貴学会からの留学助成により、こうした研究を続けられることに感謝しております。


下堂薗 信一 (大阪市立大学第一内科)

 私は、第一内科学教室より米国スタンフォード大学へ留学する機会を与えていただきMedical Center内のCenter for Research In Cardiovascular Interventions という研究室に所属しています。この度は日本心エコー図学会より第一回海外留学助成ヒューレットパッカード賞をお受けし、心より感謝いたしております。私の所属している研究室では 血管内超音波(Intravascular Ultrasound)を中心にCoronary Interventionの研究がなされています。私たちの研究室では世界中から集まってきた多施設共同研究(Multicenter Study)でえられた血管内超音波画像(IVUS)を解析するという仕事をしています。日本からも画像が送られてきていて日本でとられたIVUS画像を海を隔てた研究室でまた、日本人が解析していると考えると感慨深いものがあります。その他、新しい血管内超音波画像解析ソフトの評価、動脈壁性状のRadio Frequency信号の解析に基づいた評価、実験動物を使って移植血管のVasculopathyの評価を行ったり、新しいIntervention Deviceを実験動物や臨床例に実際に試したりなどの仕事をしています。今後、血管内超音波だけでなく広く循環器、そして、アメリカの文化を吸収し、しっかり勉強して帰りたいと思います。